黒檀素材への挑戦

レーザー加工の代表的な加工製品として千社札があります。印鑑にも使用され、高級かつ重厚な黒檀は素材価格も高いのですが人気も高いレーザー加工機を使用したメジャーな収益源です。

本来パーソナル向けのPodeaは加工パワーが低いこともあり、千社札のような商材色が強い加工はターゲットとしていませんでした。今回6Wのパワーを持つレーザーユニットの開発も終了し、締めくくりとしてPodeaとしては難加工材となる黒檀にチャレンジしてみました。

基本的にPodeaの作例は現実的に加工可能な時間内で加工出来る事が作例の条件としています。この黒檀も4時間も5時間もかかってしまうのではなく、約35分ぐらいで完成しました。

使用機種Podea-01(Type-F)6W試作モデル
仕様素材本黒檀(28x60x5㎜)
加工時間約35分
使用ソフトウエアCorelDRAW Graphics Suite X7
黒檀の千社札

千社札そのもののデザインは知見が無く、見よう見まねでシンプルなデザインで作成しました。紐を通す穴はボール盤で位置合わせが簡単なように目印をレーザー加工で焼き付け加工するようデータを作成しておきます。

CorelDRAWでのデータ作成画面

ちょうど良いサイズの黒檀板が手に入らず、木札のサイズに切断・側面のヤスリ掛け作業等が思いのほか大変・・・という事で作業途中の写真がありません。レーザー加工の労力が1なら、それ以外の切断やヤスリがけ等の労力は10以上といったぐらい黒檀は非常に硬く、加工が難しい物でした。

そんな中、ヤスリは物凄く良いものと出会えたのでちょこっとご紹介。この様な難加工材を加工される方には当然の情報なのかもしれませんが、北岡ヤスリというところからケミカル木工という木工用ヤスリを購入し使用してみたところ、紙ヤスリや他のヤスリとは全く違う切れ味&仕上がりに感動する逸品でした。

このヤスリなら超難加工材の黒檀もガリガリ削れます。

北岡ヤスリ

そんなこんなでレーザー加工以外の所で大幅に苦労しましたが、レーザー加工そのものは非常に簡単です。デザインデータを流し込み、約35分後にはデザイン通りの物が出来上がります。

密度の低い杉材やヒノキ材と異なり、強く硬い木は凛とした仕上がりになり、レーザーの均一性が高い半導体レーザーが掘り込んだ掘り込み跡の肌は非常に滑らかで美しく仕上がりました。

加工後の黒檀

写真では表現がしきれないのですが、直径12㎜のサイズの面積の中でシンプルながら小さく細やかな家紋も綺麗に掘り込まれています。繰り返し加工をしても位置精度・加工精度は十分満足のいく結果となりました。

家紋の拡大写真

6Wレーザーの開発について

6Wになると技術的に困難な壁があり、リリースに少し時間がかかっていました。パワーが上がれば上がるほど安全性や機能性、安定性、全てにおいて全体の足腰はしっかりしている必要があります。技術的な事を抜けば、パワーを上げて商品の価格を上げて商売的に利益を求めるのは実に簡単な事です。

しかしながら、Podeaは防衛構造を構築しつつ安全性の実証を積み上げた上で最後の最後にレーザーのパワーを上げるというアプローチで製品をリリースしています。利益も重要ですが、レーザー加工機そのもの、そして、それを提供していくことが好きだからこそ、Podeaをお求めいただいた方に最高の体験をしていただくために実証を行ったうえで改善を積み上げ適切な価格で提供していく。
これがPodeaのブランドに対する熱意であり、姿勢なのです。

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