この加工例はお客様からのお問い合わせから始まりました。模型や試作でよく使われるプラ板は切断できますか?という問い合わせだったのですが、当初加工できませんというご回答をしていました。しかし、この場合は?これだと加工できるのでは?といった熱意のある問い合わせの中で加工できそうな素材が出てきました。それがグレー色のプラプレートでした。
これはプラモデルや模型の塗装を前提としたプラ板で、サフ吹きと呼ばれる塗装色を安定させるための工程を簡易化することができるよう、最初からグレー色で作られたプラ板でした。結果的に加工ができ、加工結果は満足いただけました。今回はデザインを施し、加工例としてご紹介したいと思います。
| 使用機種 | Podea-01 |
| 仕様素材 | グレー色プラプレート(PS素材厚み0.3mm) |
加工できるかどうかという判断のみだったため、単純な円形状の切断加工のみのデータでお客様には満足いただけましたが、さすがに加工例としては、円切断だけでは・・・まずいので、シュガーステンシルを作ってみました。シュガーステンシルとは、粉砂糖やココア粉末等でお菓子の上に模様を描くための絵柄がくり抜かれたものです。クリスマスシーズンになると良く見かけます。天使がホルンを吹いているようなデザインにしてみました。
PS(ポリスチレン)素材はCO2レーザでも経験しましたが、熱を伴うレーザー加工にはあまり向いていない素材です。理由としては切断時、素材そのものが発熱すると、素材の収縮が始まり、切断面のデイテール(形状)が甘くなることと切断部分が盛り上がってきてしまうため、あまり精度よく加工できないためです。これはどの加工機でも言える事のようで、ある程度の形状変化を許容できるデザインでないと使いづらい素材です。今回は熱の影響を最小限にするため、加工スピードを上げて複数回カットするという手法で切断面の盛り上がりを最小限に抑えてみました。
加工例とは一種の宣伝です。これは各種機械を使ったことがあるから言えることですが、加工において不都合な事等は他の機械の加工例を見ていると書かれていないことが多いことを感じています。今回の作例では熱による盛り上がりがどのぐらいか?というのは興味のポイントだと思います。ユーザーの事を考えるとこれらの情報は出来るだけ提供するのが良いのではないかと思います。下記写真はPS素材が熱によりどのぐらい盛り上がるか?参考になると思います。
加工が終了したら実際に使ってみましょう。パンケーキ(ホットケーキ)を作りました。シュガーステンシルをホットケーキの上に乗せ、茶こしで粉砂糖をふりかけ、そっとシュガーステンシルを取り外せば完成です。
今回使用したPS(ポリスチレン)という素材は、本来は模型の塗装用等に使われるもので、シュガーステンシルのような利用例はほとんどされないと思います。
今回はたまたまお問い合わせいただいたお客様から教えていただいた素材が私にとっては目新しい物だったのでシュガーステンシルに転用してみましたが、このおかげでグレーのポリスチレン素材の加工事例が一つ作ることが出来ました。この加工例はお問い合わせが無ければ作られることが無かった加工例です。
世界のどこかでは当然の知識も、ヒントや情報が無ければなかなか活用することができません。Podeaを設計している人は機械の設計や中身に詳しいとしても、その機会を最大限活用するという意味ではユーザーのアイデアやお持ちになっている経験・知識には到底かなわないものなのです。
Podeaレーザー加工機は加工機としてはかなり異色で、生まれたばかりのカテゴリです。そしてこのレーザー加工機の活用例等はほとんど開拓されていません。Podeaレーザー加工機は自然素材の物が主な加工対象で制限もありますが、かつてない手軽さと可能性を秘めています。Podeaを設計している人間が思いもつかない事や知識・経験・アイディアはお客様の中にあります。
是非その資産を最大限Podeaレーザー加工機で生かし・利用していただければと思います。