コルクボード:アニメ調レーザー彫刻

コルクはレーザー加工機としては非常に加工がしやすい素材です。素材も安価であるため、コースター等に良く使用されます。ただ、単なるコルク製コースターだと素材も安価であることもあり、キャラクターの絵柄等を焼き付けて付加価値をつけた物が商品になっていたりします。

非常に安価な素材が、デザインによって価値が生まれるという良い例だと思います。今回はこのキャラクターやアニメ調のデータでレーザー彫刻してみたいと思います。

使用機種Podea-01
仕様素材コルクボード
コルクボードへの彫刻

ちょうどコルクボードがA4サイズだったため、今回はPodeaにとっては限界サイズであるA4の加工を行いました。絵柄も何かしらのアニメ調で点画で表現したかったため、著作権フリーのブラックジャックによろしくの素材を使用させていただきました。ブラックジャック(Tadapic.com)掲載素材

MFTの展示の一つの素材にするべく、吹き出しもつけました。

画像処理に使用したソフトウエアはGIMPです。Podeaは応答性が非常に速い半導体レーザーなので1ピクセル単位の点画が表現できます。そのため、画像ソフトウエアで使用される1ビットモノクロパレット変換&ディザ誤差拡散処理を実行すれば、すぐに使える点画が出来上がります。一般的にレーザー加工機の画像処理は難しい事が多いのですが、今回の例では非常に簡単に終了しました。下記のように画像のモード(色情報)をGIMPの場合白黒(1bit)パレット変換と、精細な点画になるようにディザリングをかけます。

GIMPでの画像処理

変換直後は、ぱっと見ても何が変わったか分かりにくいのですが、拡大してみると点の集合体で絵が表現されているのがわかると思います。レーザー加工機の種類にもよりますが、シンプルな構成のレーザー加工機では、究極はレーザーの光を素材に当てるか当てないかという、レーザーの光をONするかOFFするかという加工になります。そのため、このような黒い点の集まっている密度で絵柄の濃淡を表現します。Podeaも同様にこの点の集合体であるデータがアニメ調や自然画調の濃淡表現に適したデータとなります。手順さえ分かれば簡単にデータが作れます。

今回はフリーソフトであるGIMPを使用しました。別にGIMPではなくて他のグラフィックソフトウエアでも簡単に同様の事が出来ます。画像処理のポイントさえ分かれば、他のソフトでも応用して加工すれば同様のデータが得られます。レーザー加工に限れば、ほとんどが簡単な画像処理で済みます。PhotoShopのようなソフトでやらないと良い結果が得られないのではないか?というのは基本的に誤解と思った方が良いと思います。

全員がPhotoShopやイラストレータのようなソフトを所有しているとは限りません。ただ、そのソフトウエアの壁でいろいろな事を断念するのは非常に残念なことです。そのため、利用できるフリーソフトは可能な限り利用する方法も紹介していきたいと思っています。

ディザリング処理の拡大図

最終的にはCorelDRAWで配置設定・吹き出し部分と著作権表記をして完成です。CorelDRAWは安価であることと、使い慣れているだけなので、よくCorelDRAWを使用しますがイラストレータでも同じようなことができます。また、加工データを転送するプラグインもCorelDRAWとイラストレータ両方対応しています。また配置設定やデザインだけに限ればフリーのInkScape等を使用しても同様の事が可能です。(InkScapeはプラグインではなくSVGファイルで保存し、Podeaソフトウエアで開くことで加工データとして使用可能です)

CorelDRAWでの最終データ

加工面積が広いことと、ほぼ全面往復という加工データとしては最悪のデータ(加工時間がかかるデータ)でしたが、約1時間半ほどで加工が終了。加工パラメータをもうすこし追い込めば、もう少し早く加工できると思います。これはMFT2014で展示予定です。

今回のような作例は、個人で製品を作ったり、ちょっとした商品を開発していたりする方にとっては作ってみたい例なのではないかと思います。日本には潜在的で奥深いサブカルチャーが多数存在し、そして一つ一つが物凄い深さがあると思います。こういったサブカルチャーのクリエイターは何かしらの物販をするための、何かしらの突破口を模索しているのではないかと思います。

今は3Dプリンタ等のツールも多くあるため、昔に比べれば個人が物を作れる可能性は物凄く敷居が低くなりました。レーザー加工機もそうであってほしいのですが、様々な要因でそれほど普及しているとは言えません。

Podeaは出力の低い小型機ではありますが、天然素材を中心とした工芸向きの素材に適したレーザー加工機です。そして、天然素材が主な加工素材であれば、設置におけるコストや環境負荷も非常に低く、導入が容易です。使用したい素材と分野がマッチすれば利用価値が高いツールになることでしょう。

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